けいゆう先生の特別講演会@富山大
研修医1年目賀集です。
5月20日に富山大学で行われた研修医のキャリアアップを考える会に参加してきました。特別講師として京都大学医学部附属病院 消化管外科特定助教 山本 健人先生 (けいゆう先生) がいらっしゃり、第一部特別講演、第二部座談会の二部構成でした。けいゆう先生は外科医として働かれているばかりでなく、医療情報サイト「外科医の視点」の運営や「オペスル」という子供向けの手術体験のイベントにも携わっておられます。特別講演で印象に残ったことと、それに対して考えたことを以下に記します。
1. 1, 5, 10年後の理想の自分を想像し、逆算する
目標に対するアプローチとしては至極当然のことで、想像した上で逆算するときにはマインドマップや大谷選手が使ったことで一躍有名になったマンダラチャートを使ってみるのがいいのかもしれません。ただ、個人的には逆算をやりすぎると、現在の自分が消失してしまうような心地になるので、carpe diem的思想とのバランスの取り方が課題かなと思っています。
2. Excelなどで学会発表数、参加数、論文数などを可視化する
これは1年間/3年間などの期間において、自分の達成したことを讃えると共に、足りなかったことを反省するために大変重要だと思いました。当院でも初期研修中に救急/総合外来でファーストタッチした症例をまとめることが推奨されており、日々の診療を復習し、日々の成長を実感することができる (はて、いつになったら実感するのやら) 方法だと感じています。
3. すぐに儲かるタイパ、コスパのいい仕事は将来のためにならない
近視眼的なものの見方、仕事の捉え方では、将来にはつながらないということは心に留めなければならないなぁと。羽生善治九段の本にあった「役に立つかどうかわからないことをやる」が現代社会では肝心です。勿論、どういう風にレバレッジを効かすか考えなければなりませんが。
4. 新しいことをやるときは計画段階で成果の示し方について考える 例えばSNSのインプレッション数、閲覧数などどういう効果が出たのか見えるようにする
これは一番覚えておかなければいかないなと思いました。新しく始めた小さなことでこれだけの波及効果、影響がありましたと示し、お金と人員を引っ張ってきて、大事にしていくのがプロジェクトのやり方です。もたらされた影響をどのように具体的に説明するか、それがcriticalだと理解しました。
5. キャリアに正解はない
この言葉を見たときに、先日参加した東京科学大の脳神経内科の説明会で三澤教授が紹介されていた
「キャリアとはハシゴではなくジャングルジム」
というフェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグの言葉を想起しました。上に行くことだけを考えてはいけないし、たまには横に行ったり、斜め下に行くようなおおらかさ、視野の広さも人生においては必要ですから。心が少し軽くなる言葉です。
最後に、けいゆう先生が講演会冒頭で引用されていた塩野七生先生の言葉を紹介します。
「作家として、気力、体力ともに自信をもって書き続けられるのは、あと15年でしょう。だから、この年に書き始める必然があった」 これは逆算でしょうか。それとも運命のようなものでしょうか。
そろそろローマ人の物語読みたいなぁ〜