ハーバードMPH 内御堂先生の『医師のキャリア形成』
12月の特別イブニングセミナーで、東京医科歯科大学医学部附属病院 集中治療部 特任助の内御堂亮先生をお招きし、医師のキャリア形成についてご講演いただきました。内御堂先生は、集中治療室で現在働かれていますが、ハーバード大学のMaster of Public Healthも取得されており、その時の体験談も含めてお話をしてくださいました。
今回のために発表資料を準備していただき、完璧を求めない、少しの勇気を持つ、お金はやっぱり大事、友人・家族を大切になど、5つのテーマについて自身の経験をもとに説明していただきました。
今回の講演の中で、公衆衛生という学問の重要性と可能性について気づせていただきました。公衆衛生の有名な例え話として、
「川の上流から下流へと溺れた人が流れてくる。その上流で人が溺れないようにするのが公衆衛生」(全文は、下記英文を参照)
があります。重要な考え方ですが、一方で、糖尿病の一次予防ひとつをとっても、様々な要因が複雑に絡み合っており、私自身も公衆衛生に興味はありましたが、とっつきづらい印象がありました。
しかし、内海堂先生と話すなかで、自分の身近な問題に対しても公衆衛生が活かせることに気づかされました。着目する統計データをとり、分析し、それに基づいて考察を行い解決策を立案する。こうした地道な研究の繰り返しで、社会を変化させていくことにつながるではないかと考えさせられました。例えば、産婦人科医が不在であったことによる糸魚川の少子化への影響などを調べることで、地域の産婦人科医の重要性を示すこともできるのではないかと感じています。(有意なデータが得られるかわかりませんが笑)
研修医として、まずは、目の前の患者さんと向き合うことを大事にする必要があり、なかなか公衆衛生に目を向ける余裕はありません。しかし、将来なんらかの形で公衆衛生に関わりをもち、研究に取り組みたいと思うきっかけをいただきました。内海堂先生、ありがとうございました。
“You know," he said, “sometimes it feels like this. There I am standing by the shore of a swiftly flowing river and I hear the cry of a drowning man. So I jump into the river, put my arms around him, pull him to shore and apply artificial respiration. Just when he begins to breathe, there is another cry for help. So I jump into the river, reach him, pull him to shore, apply artificial respiration, and then just as he begins to breathe, another cry for help. So back in the river again, reaching, pulling, applying, breathing and then another yell. Again and again, without end, goes the sequence. You know, I am so busy jumping in, pulling them to shore, applying artificial respiration, that I have no time to see who the hell is upstream pushing them all in.”
https://iaphs.org/wp-content/uploads/2019/11/IAPHS-McKinlay-Article.pdf