学生に当院での実習についての感想を答えてもらいました (2025年度 part 2)
良かったところ
・ER実習ではルートの確保、採血、皮下注射、Walk inの患者さんに対するファーストタッチなど様々な手技を主体的に経験できました。
・臨床推論会やER検討会、イブニングセミナーなどの勉強会を通して臨床と教科書上の知識とのギャップや繋がりを体感できました。患者さんの症状に対してどのようにアプローチをするべきか、鑑別に入れなければならない疾患などを深く学ぶことができました。
・4月から研修医の先生方と一緒にオリエンテーションなどに参加し、研修医の先生方と仲良くなることができ、雰囲気の良い中で実習に参加できました。
・訪問診療や総合診療科での実習を通して、地域での医療問題に触れ、全人的医療を行う医師が特に求められていることを感じることが出来ました。
問題点、改善してほしいところ (2つは書いてください)
・高齢者が多い地域であるため、経験できる疾患に偏りができ貴重な疾患に触れることが少なかったと感じます。
・三カ月と長い間であり、自分と同じ状況で実習を共に頑張る学生が他に数人いればモチベーションを高く維持することが出来たのかなと感じました。
印象に残った出来事、話
ACP会議で、患者さんと多数の医療職が将来のケアや治療方針について真剣に話あっている姿がとても印象的でした。
会議では、臨床倫理の四分割表(医学的適応、患者の意向、QOL、周囲の状況)に基づいて議論が進められており、医学的適応は医師が主に判断し、それ以外の項目は多職種の様々な目線から評価することの重要性を実感しました。患者さんは、それぞれの職種の方との関係性によって、本音と建前を使い分けて話すことがあり、多職種の方から集めた情報を収集すると患者さんの真の意向が浮き上がり、どの支援が適切なのか明確になったと感じました。このように、多職種で患者さんを見る視点の重要性を実感しました。患者さんの意思を尊重しながら、多職種と連携して最善の支援を考える医師になりたいと感じました。
仮にここで初期研修を行うとしたらどんなことが期待できるか
通年にわたるER研修は、実際の症例を通じて、鑑別疾患の挙げ方や診断への思考の流れなど、臨床推論能力の基礎を体系的に身につくことが出来ると思います。週に数回ある症例検討会では、様々な診療科の先生から初期対応に対するフィードバックをいただけるため、自身の判断の妥当性や思考過程を振り返り、改善点を見つけることが出来ると感じました。こうした日々の実践と振り返りを繰り返すことによって、洗練したER初期対応が身につくと感じました。
仮にここで初期研修を行うとすればどんなことが期待できないか